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特別企画/京の伝統野菜 Vol.2 近江生まれの京育ち「聖護院かぶら」
text by 竹田勝幸/39vegetable.com

近江生まれの京育ち「聖護院かぶら」

滋賀から伝わり京都の聖護院あたりで栽培されたという聖護院かぶら

聖護院かぶらは、江戸時代に、近江、今の滋賀県の堅田あたりから、京の都に種が伝わり、聖護院あたりで栽培されました。

京都の三大漬物「千枚漬け」

千枚漬け

平安時代に生まれた大原のしば漬け。桃山時代に生まれた上賀茂のすぐき漬けにならび、京都の3大漬物のひとつ「千枚漬け」。
繊細で滑らかな実は絹のような肌触り、食べると、優しい歯ごたえで、さすが古都にふさわしいお漬物。上品な味わいです。

千枚漬は、今から約150年前、江戸時代後期に生まれました。
江戸時代最後の天皇である、孝明天皇の宮中大膳寮(皇室の食事当番)に仕えていた料理人、大藤藤三郎が、聖護院かぶらを使った浅漬けを作りました。当時漬け物は保存食として大変重宝されていた時代でした。
薄く輪切りにされた大判の聖護院かぶらの漬け物は、見栄えもそれまでの漬け物とは違い、宮中で大変、喜ばれたそうです。

慶応元年、御所の仕事を退いた大藤藤三郎は、京都市内に千枚漬け本舗「大藤」の暖簾をあげました。この店で売り出された千枚漬けが起源となり、京都で数多くの漬物屋が千枚漬けを作るようになりました。

千枚漬けに挑戦!

千枚漬け
<材料>
聖護院かぶら…約500g
三温糖… 80g
酢… 200㏄
ダシ昆布…長さ5cm程度2枚
鷹の爪…適量
壬生菜…塩漬けにしたもの適量

1. カブを半分に切ります。
皮から5ミリくらいのところに薄い線が入っています。この線まで皮として剥きます。
※聖護院かぶは皮の方が固いので、厚めに切ります。
※皮は放かさずに、キンピラや塩漬けで

2. ボールに水を用意します。
スライスしたカブに均等に塩が行き渡らせるために、水の重さに対して3%の塩を使います。
500cc×3%=15g
500cc-15g=485cc
の水を用意します。 485ccの水に塩15gを溶かして、スライスしたカブを一晩浸けます。

3. 三温糖・酢を煮詰め、漬け汁をつくります。
一晩漬けこんだ、かぶらに昆布をミルフィーユ状に敷き、ジプロックに入れさらに一晩寝かせて、完成。 京都では、壬生菜の塩づけを添えます。
お好みで、鷹の爪や柚子を入れて漬け込んでもOK

*食育ポイント!!
地域に残る食材や調理方法を伝え残すこと。
それが、その土地の名物になり、家族で美味しく食べたり、美味しさをおすそわけして、みんな仲良く笑顔に!!

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