| 自由研究室 |
巨木・巨樹シリーズ/File No.5 「岩屋の大杉」
福井県勝山市
オモテスギ(表杉)とウラスギ(裏杉)
※ウラスギの特徴が顕著な「魔王杉」とも呼ばれる石川県指定天然記念物「五十谷の大スギ」
遺伝的に分化した豪雪地帯のウラスギ
「岩屋の大杉」は、地上1メートルあたりから、幹のような大枝が5本、そのうち一本は特に湾曲して上へと伸びている姿を紹介してきました。
ちょっと不思議ではないですか?
太平洋側に住んでいる人間にとって、見慣れた杉と言えば、太い枝を大きく張ることもなく真っ直ぐ空に向かって伸びているもの。幹のような太い枝が湾曲して伸びているようなイメージはありません。
でも雪の多い日本海側では、「岩屋の大杉」のような特徴を持つ杉が多いようです。そうした杉をウラスギ(裏杉)と呼び、それに対して、積雪がなく乾燥した冬を過ごす太平洋側の杉をオモテスギ(表杉)と呼ぶそうです。
雪の重みで枝が曲がってしまったのか、とも思いましたが、森林総合研究所によると「ウラスギとオモテスギは遺伝的に明瞭に分化しており、2つの遺伝子に大きな違いがある」ことが分かり、その違いは「積雪量のような環境条件などによる自然淘汰を受けた結果生じた可能性」があるそうです。
豪雪地帯という環境が、杉を遺伝子レベルで変化または進化させていったのでしょうか。興味深い話です。


